10周年記念シンポジウム

ー 10周年記念シンポジウム開催のご報告 ー

日時:平成21年1月10日(土)AM10:00〜
会場:富山国際会議場(大手町フォーラム)2階多目的会議室 来場者203名

プログラム

  1. 式典
    • スライド上演
    • 開会挨拶
    • 祝辞
  2. 基調講演
  3. トークセッション「いま、なぜインターネット市民塾なのか」
  4. 記念パーティ

◆理事長よりお礼のメッセージ

◆10周年記念シンポジウムを終えて(ご報告)

※アンケート集計結果はこちら>>>


【開催当日の様子】

オープニングスライド

富山インターネット市民塾HISTORY

市民塾HISTORY

インターネット市民塾って何だろう? どんな活動をしているんだろう?
こんな疑問に答えてくれるオープニングスライドで 幕が上がりました。

「市民塾HISTORY」 是非、クリックしてご覧ください。

 

ご挨拶

山西理事長挨拶

「富山インターネット市民塾 10周年記念シンポジウム
~地域で育てて10年、明日の富山を変える学びの力~」

インターネット市民塾は、1998年産声をあげた。ITを教育に利用していこうとインテック・富山大学・富山県が協力してインターネットを活用した学びの場づくりをしようとモデル事業の実証実験をはじめた。働き盛りの共感を得られ、たいへんな驚きがあった。
2年間の実証実験を経て、実際に運用するため、地元企業,市町村も加わり、産学官で定着させるための設立準備委員会を立ち上げた。
インターネット市民塾は一人一人が小さな知恵の輪を伝えていくもの、専門家が専門の知識を教授するようなものではなく、一人一人が県民講師となり、伝授していくものである。
自分が伝えていける知恵を伝えていこうという自遊塾のインターネット版として発祥した。インターネットを通して人と人とをつなぎ、知の循環を生み出している。地域が元気になる学びをつくりだしている。教育委員会、産業界の支えがあってこの事業が続けられたと思う。感謝したい。
インターネット市民塾の輪が富山から全国に、そして世界に広がり、10周年を契機にこの輪が力強く広がっていくことを期待して挨拶としたい。

富山インターネット市民塾推進協議会理事長 山西 潤一

祝辞

祝辞:椿氏

文部科学省 生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当) 椿 泰文 氏

富山のインターネット市民塾は、粘り強く勤勉で新しいことに取り組む県民性をベースに、関係者の努力による賜物ではないかと思う。10年前、13%の利用率だったインターネットを利用して学習することを思いつかれたのは、先見の明があったと思う。富山からはじまったインターネット市民塾が各地に広がっている。富山のノウハウを生かして、再チャレンジ事業に取り組んでいただいている。誰もが生涯の必要なときに学び、いつでも学び直しができる取り組みの好事例だと思う。生涯学習の振興のためにご尽力いただくことを期待したい。

祝辞:東野氏

富山県教育委員会教育長 東野 宗朗 氏

生涯学習県として、平成7年に自遊塾を立ち上げた。全国から高い評価を得ているインターネット市民塾を誇らしく思っており、これからもご支援をしていきたいと思う。明日の富山を変えるきっかけ、芽づくりをしていただくシンポジウムとしていただきたい。

祝辞:中尾氏代理

ITホールディングス株式会社 代表取締役会長 中尾 哲雄 氏

(代読)

インテックグループを代表してお祝い申し上げたい。富山からの情報発信として産学官の連携を実現させた。心豊かな人が住む地域が豊かな地域だと思う。インターネット市民塾が学びの風土を定着させていくことを期待している。

基調講演

基調講演:佐藤氏

テーマ「成熟社会を共に生きる」
講師 佐藤友美子氏 (財団法人サントリー文化財団上席フェロー)

●講師プロフィール●
三重県出身 
サントリー不易流行研究所、次世代研究所部長を経て、現職
第三期中央教育審議会委員、国土交通省交通政策審議会委員等を歴任 
専攻は生活文化論
主な著書・論文に「成熟し、人はますます若くなる」(NTT出版)
「ロストプロセス・ジェネレーション」(神戸新開総合出版センター)
「これからの家族のために 家族に関する国際調査報告書」「変わる盛り場」(編著)(学芸出版社)
「時代の気分 世代の気分」(編著)(NHKブックス)などがある 「共立のデザイン」研究をされており、全国の18ヶ所をモデル調査して取り上げ、 富山からは①このゆびとまれ、②ライトレール、③インターネット市民塾 の3つの活動を取り上げていただいており、ご講演いただく運びとなった。

成熟社会を目指していたときは、人は貪欲だったのではないか。社会が成熟すると、人は未成熟でも生きられるようになったのではないか。その成熟社会を心豊かに生きるためにはどうしたらよいか?社会がよくなれば企業もよくなるのでは?という視点で研究をおこなっている。

いろんな世代が生きている社会である。生まれてから育つまでに培われる価値観は、いろんな場面で出てくる。全体が見えることが大事。違って当たり前。自分の価値観とは違う価値観を知ることは必要である。自分の位置がわかる、変化の方向がわかることが大事である。
世代間のギャップとして、アナログ世代とデジタル世代に分かれる。社会の中の自分という意識より、自分の中の社会になりつつある。選択肢のある豊かさと不安が存在する。仕事だけではなく、仕事も家庭も自分も大切である。関わらない、貸し借りを作らないという関係が世代研究から見えてきた。
一人では生きられない。できることを持ち寄ること。自分にこだわり、自分をみがくことが大切である。
違う価値が集まって、新しい価値が生まれる。みんなで支える社会となる。
自立を超え、共に生きる社会を共立のデザインと考える。
共立のデザインの事例としては、呼びかけが全国に広がった「打ち水大作戦」、さるく(ぶらぶら歩く)の日常化を目指す「長崎さるく」、これはみんなの知恵をつかって長崎を有名にした。ドリームと市民力を結束「天満天神繁しょうてい」、区別しない介護「このゆびとーまれ」モノを創らずモノを創った「砂浜美術館(高知県/黒潮町)」発想の転換が重要。福祉/教育/労働の接点を探る「アトリエインカーブ(大阪市)」などがあげられる。
共立のデザインのポイントとしてはピジョン、人、運営に関して、現状から共立のための発想転換をすることが大切であり、様々な立場の人が主体的に参加し、新しい社会の仕組みや価値を作り出すことがポイントである。
自立した個人の育成と自立した地域社会の形成において、大事なのはプロセスである。

自分にこだわり、自分を磨くためには、成熟社会の知恵を先達に探ることが必要。「成熟するにつれて人はますます若くなる」ヘルマン・ヘッセの言葉があるように、だれも近道はしていない。迷いながら、探し続けている。自分の感覚へのこだわりがある。常識から自由であり、価値のフロンティアを求め続けたから、今がある。

成熟社会をおだやかで、明るく、面白く、共に生きるために、ニーズの先を読み、21世紀型の循環社会を目指していかなければいけない。

トークセッション 「いま、なぜインターネット市民塾なのか」

課題提起

課題提起:坪田氏

 「今なぜ、市民塾か」
 講師 坪田 知己 氏(日本経済新聞社日経メディアラボ所長) 

●講師プロフィール● インターネット市民塾には、主宰された日経インターネットアワーでの表彰ほか、地域情報化の様々なネットワークへの参加機会を提供。
自身も市民塾講師として講座を開催。

インターネットアワードで自治体を表彰していた。インターネット市民塾の噂を聞いて2001年に特別賞を授与した。地域情報化大賞を出すきっかけになった。
インターネット市民塾はこれまでが助走期間であり、これからが勝負だと思う。

アルビン・トフラーが言う資本主義の行き詰まりの表れか、サブプライム問題かもしれない。
お金はデジタルである。デジタル=指で数えられる。コンピュータとネットワークと関係が深い。正業も悪業もお金にすれば同じである。
ゼロサムからプラスサムの考え方へ。バングラディッシュのグラミン銀行がマイクロクレジットをはじめた。借用者の97%が農村の女性であり、返済率は98%を誇った。人を信じる銀行である。援助ではなく融資。返済によって自信を得る。まさしく、分断社会からつながりの社会への崩壊と再生と考えられる。
テーマを共有して、人があつまる=インターネット市民塾の活動がそれである。
人間を道具にする考え方ではなく、人間を人間として認めるような社会をつくらなければいけない。

世界規模で大きな課題を抱える時代。このような時代だからこそインターネット市民塾が必要だ。

学習者同士が高め合うためのプラットフォームをつくっていかなければいけない。世の中に貢献できる、楽しみを広げる、そのような活動につなげてほしい。

トークセッション

トークセッション1

●パネリストプロフィール●

柳原 正年 氏 (富山社会人大楽塾代表)
富山インターネット市民塾設立当初より、多くの市民塾講師を輩出し、市民塾モデルの具体化に寄与。

木下  晶 氏 (富山県立南砺総合高等学校福野高等学校校長)
県民カレッジ自遊塾(県民教授制度)の提唱者であり、インターネット市民塾の基本モデルづくりに大きな力を与えた。 また、産学官共同運営体制設立に尽力

道本 浩司 (市民の力わかやま 理事)
富山を基点に広がった地域の一つ和歌山で産学官の連携を多彩に進め「市民力」をキーワードに活動

高緑 利江 (市民塾講師・eくらふと代表)
市民塾の講座では常連が集まる「私塾」的なグループを形成するほど人気が高く、市民講師養成コースの企画も行う。 中学校の非常勤講師のほか、地域でPC活用などの講師として幅広く活躍。

トークセッション

(木下)なぜ富山か。今日の会場を見渡しても、会社員、大学関係者、行政関係者など、いろんな人のつながりが見受けられる。官民のパートナーシップ、富山藩は河川の洪水や豪雪に協力しあわなければいけなかった。売薬は文化を伝承した。互いに信頼しながら力を合わせてきたのが、この地の特徴であったと思う。それがインターネット市民塾の根本にある。共同、共立、連携、共感。共にこの地域をよくしていこうという共感が富山の地にある。
県民1000人のアンケートで100人が教えたいと回答した。行政の役割として、平成7年に自遊塾を立ち上げた。県民カレッジで自遊塾からインターネット市民塾への参加者を募った。
(柳原)「念ずれば花開く」(坂村真民(さかむらしんみん))という言葉を贈りたい。1989年東京で生涯現役塾を立ち上げていた。富山に戻ってからは県民講師として活躍したが、県民カレッジの講座修了者により、ゆめたまごネットワークを形成した。後に富山人大楽塾となる。その中から11名が市民塾の講師となった。
人と人をあわせて化学反応をおこす。人材づくりのために、参加する人がわくわくする活動に今後も期待している。
(道本)インターネット市民塾との出会いは、地域で情報化を推進する仕事に就いていた。和歌山県庁で中川郁夫氏と出会い柵さんに来てもらい、インターネット市民塾を知った。時代の大きな流れがあった。同じ思いをもった地域の方々が集まり、市民塾をはじめた。市民の連携の力を高めようと「市民の力わかやま」と名前をかえた。
(高緑)「わくわくパソコンクラブ」講座をインターネット市民塾で開講している。好きなことを講座にしているだけである。インターネット市民塾との出会いは、富山社会人大楽塾でシニア情報生活アドバイザーの資格取得講座の受講者としてプレゼンした内容を柳原先生にインターネット市民塾の講座にしないかと誘われた。講座を立ち上げるため、紅茶の勉強を追加でした。ひとつの扉をあけると、たくさんの扉が見えてきた。学びのスイッチが入った瞬間だった。柳原先生からもらった「ゆめたまご」がぴかっと光った瞬間があった。自分の講座の受講者が講座を立ち上げた。自分も知らない間に「ゆめたまご」を渡していたのかもしれない。違う価値が出会って、新しい価値が生まれる。変化を楽しみにしている。

(山西)自分自身がやっていて楽しい講座をたくさん出している。教えることってどういうことだろうか、教えることの喜びを得る最大の場である。
(木下)会社員から教員になった。誰でも教えることができる場がインターネット市民塾である。学びたくない人に教えるのはたいへん。学びたい人が集まるインターネット市民塾には期待したい。
(柳原)教える側の論理はこの10年で見えてきた。市民塾クラブとして、講師と受講者の輪をつくりたいという構想があった。これからは一人一人が主役である。教える側と教えられる側に溝があってはいけない。講師は一人称、自分のための学習。二人称は相手との関わりにおける学習。目線を同じにすることが大事である。ソーシャルキャプタル。公民館にも市民講師を送り込んでみんなのための学習を提供しなければいけない。みんなとちょっと社会貢献できるような活動、原点はハッピーであり、ラッキーになる。
(道本)新しいプラットフォームの利用において、多様性をつないで、どこでどんな活動がおこなわれているか可視化していきたい。
(高緑)これから先も「これなら私でもできる」という見本でありたいと思う。Eラーニング講座を一人でアップするのがしんどい。受講者と一緒に教材をつくっていけるような試みにチャレンジしたい。みんなでつくるインターネット市民塾にしていきたい。

コメント

(山本室長)これまでの事業では リーダがいない。講座が高齢化。発表の場がほしいという課題がでていた。地域に根ざしたもの人と人とのつながりが大事と感じていた。10年前に知の循環社会の実現に向けて始めていたことが素晴らしい。

(吉田先生) 学校で取り扱いにくいもの、教材化しにくいものをインターネット市民塾は提供している。インターネット市民塾は、人間力を高めるために必須なものを学習として取り上げ情報化することである。インターネットを使って学習情報として共有しやすくすることも役割である。
参加していること自体が学習となっている。地域にはそんな場は必要である。
(椿参事官) インターネットであるが、本質は人と人とのつながりである。
インターネットという手段を使って、人と人とのつながりをつくっているインターネット市民塾はすばらしい。学びのスイッチが入る瞬間をできるだけたくさんの方に経験していただきたい。富山から発信したこの活動が、全国にどんどん広がっていくのを楽しみにしていたい。

まとめ

(山西)社会の価値観そのものを考え直さなければいけない状況で、インターネット市民塾への期待が高まっている。働き盛りの40代の方々が、少しでもゆとりを見つけながら、生き甲斐ややりがい、働きがいを見つけられるような場を提供していきたい。個々人が満足できるような活動を続けていきたい。社会が失ってきているものをインターネット市民塾の力で取り戻していきたい。今後も元気な社会づくりに貢献していきたいと考える。

記念パーティ

記念パーティ琴&尺八演奏

「記念パーティ」は美しい琴と尺八の音色で開演しました。その美しい音色に のせてこれまでの10年のなつかしい顔と新しい顔が交わりながら、楽しく 進められていきました。

乾杯のご発声を高岡市教育委員会教育長の村井 和氏よりいただきました。 続いて、富山インターネット市民塾の生みの親、富山インターネット市民塾 推進協議会 事務局長の柵 富雄より、県外からご参加いただいている みなさまや、市民塾にたいへんゆかりのある方々をご紹介をさせていただき ました。

最後に山西理事長の閉会の挨拶があり、「富山インターネット市民塾10周年記念パーティ」が盛況の中、終了いたしました。

 

 

当日、残念ながらご参加頂けなかった方々からも多くの応援メッセージをいただきました。本当にありがとうございました。

これからの市民塾にあなたからの応援のメッセージをお待ちしております。

富山インターネット市民塾までinfo@shiminjuku.com